お金の不安の解消法
朝、新聞を広げてみることがなくなった筆者。
新聞は、もっぱらネットで閲覧しています。
ネットにつなぐと、ニュース記事が目の中に広がります。
そんな記事の中で最近急増しているのが、老後のお金についての記事で
す。
「老後の不安 お金はこれくらい必要」とか、
「老後の失敗 退職金も年金もこれだけあったのに…」とか、
こんなフレーズで不安を煽るような記事が増殖中のようです。
その記事の先を読んでいくと、(資産)投資や保険等へと誘導されてい
くのですが、本当に高齢者のお金の心配に応えているといえるのでしょ
うか…
以前の記事でも度々ご紹介してきた老後の心配:3K
その中でも、やはり一番心配なのはお金かもしれませんね。
以前の記事でも度々ご紹介している3K
お金の勉強
先日、家の近くのスーパーで買い物をしてレジに進むと、小学生低学年
くらいの2人の少年がレジを占拠していました。
2人ともいくつかの駄菓子を購入し、(親からもらった小銭が入った)
財布とにらめっこしながら固まって(フリーズして)いたのです。
どうやら予算オーバーで買いたかったお菓子全ては買えないようです。
レジのおばさんが丁寧に応対し、どれを購入対象から外すのか(買わな
いでおくのか)を決めていました。
2人の支払いが済むまで5分程度待たされる結果となりましたが、筆者
は少年達を見ていて思ったのです。
「とてもいい勉強だよな…これは…」
これも将来社会の一員となる子供達への(地域)社会としての責務
ちょっと大袈裟かもしれませんが、とても良いことだと思ったのです。
画像素材:いらすとや お金はあることに越したことはありませんが…
それよりも使い方、管理の方法が重要です
お金がないと何も買えない…
筆者が現役時代にもこんなことを同じ部署の方々に教えていたことがあ
りました。
数百人規模の組織の責任者をすることが多かった筆者が、年度の方針発
表の際、最後に訴えていたことがあるのです。
「お金があれば、奥さんに綺麗な服を買ってあげることができる」
「家族で旅行にも行ける」
「でも、お金がないと子供が腹を空かせて “お父ちゃんお腹空いた”
と泣き叫んでも、パン1つ買うことができない」
「家計の財布も会社の財布も同じ」
「やりたいことをする為には、利益(お金)が必要」
「皆さんの給料を上げていく為にも、利益を生まなければならない」
「だから赤字はいけない」
傾きかけた(赤字)組織の建て直しを命じられることが多かったので、
こんなことをしたのかもしれませんが、お金に対する意識を強く持つこ
とは大事なことだと思うのです。
画像素材:PIXTA 人生(生活)にはお金が必要です 家族の為にも
だからこそ、お金に対する感覚を研ぎ澄ませておく必要があるのです
自分で管理する
今、筆者が勉強をしている高齢者住宅でも、老後のお金に関する事例が
数多く発生しています。
とある高級賃貸物件でもこんな事例がありました。
旦那様が他界されて数年後に、高齢(独居)女性が住む部屋で急に転居
があったのです。
理由は(高額な)賃貸料が未納となったからです。
ある意味、強制退去が執行されたということになります。
預金が底をつき、年金だけではこの住宅の賃貸料が払えなくなり、同じ
市内のアパートへと引っ越しを余儀なくされたようです。
女性が住んでいた高級マンションからは美しい山並と海をみることが
できます。
おそらく年金だけで暮らせる住居へと移っていったのでしょう。
独居女性で3LDKの広さが必要だったのかは疑問が残ります。
それよりも月10万円を遥かに超える家賃の計算はできていなかったの
か首を傾げたくなります。
お金は「使ったら(遣ったら)減る」んだという認識が重要なのです。
亡くなられたご主人がお金の管理をしていたのでしょうか?
子供さんはいなかったのでしょうか?
いずれにせよ、自分でお金の管理ができていれば、こんなことにはなら
なかったかもしれません。
独居になった段階で何らかの策を打っていればこうならなかったと言え
ます。
頼れる親族がいない場合でも、先日記事でもご紹介した「成年後見人制
度」のようなものも使えるのですから…
この事例以外にも、最近賃貸物件から強制退去を命ぜられる高齢者が増
えていることは確かなようです。
お金をどのように管理していくのか?
それは、それほど難しいことではありません。
年金生活になった場合、収入は計算ができます。
支出もある程度は計算ができます。
身体の老化に伴う医療費のリスクは頭に入れる必要はありますが、自分
の余命期間を多めにみておけば計算は可能なのです。
それも年度単位で計算書を作成しておけば、将来の予測もできます。
(子供さんの協力も得ながら)計算をするか、しないか…
それだけです。
「なんとかなる」では、駄目なのです。
以前に記事でご紹介した企業のお金の管理に使う貸借対照表です
これと同じ仕組みが家計にもあれば問題なく管理できます
働くことが一番
いつまで働くかは、個人差があります。
その人の身体的な状態にもよります。
個人の(勤労に対する)考え方もあるでしょう。
でも、身体が動くのであれば、年金に勤労報酬をプラスして生き甲斐を
持ちながら働き続けることができれば、お金に関する不安の多くを解消
することができます。
なにせ僅かながらも収入が増えるのですから…
ただ、会社を定年退職したら、「我慢して」とか「仕方ない」ような働
き方はしたくないものです。
今、この国の中で、高齢になってもこんな働き方ができるところは多く
はないかもしれませんが、できる限り生き甲斐を持ちながら働ける職場
(居場所)を探す努力は必要なのかもしれません。
以前と比べると高齢でも働ける職場は、確実に増えつつあります。
諦めないでそんな職場(居場所)を探すことが、老後の不安を解消して
くれる手段の一つになることは間違いありません。
利益が出るかどうかわからない投資をするよりも、
今から新たに保険に入ったりするよりも、
遥かに確実性は高いのです。
健康の為にも、お金同様に「お酒」も自己管理が必要ですね(笑)
写真は筆者の自宅近くにあるビール工場での出来立ての一杯です。
お金は、
「自分で管理する」
「キチンと計算して(現状を)把握する」
「(その上で)将来を予測する」
そして、
「生き甲斐を持って働ける仕事を探す」
これができれば、不安は確実に小さくなると筆者は思います。
今回の記事は、ネット上で急拡大する「老後の不安」について、筆者の
考えをまとめてみました。
今回の記事も最期まで読んでくださり、感謝申し上げます。