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意気地(いきじ)と意気地(いくじ)なし

2024年09月14日
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先日、テレビを見ていた時、聞き慣れない言葉を耳にしました。

 

その言葉は、意気地…

 

「いきじ」と読むらしいのです。

 

「意気地(いくじ)なし」という言葉は知っていましたから、

 

あれ、「いくじ」じゃないのか…

 

そんな疑問が頭に湧き出てきて、少し調べてみました。

 

テレビで紹介されていたのは、能登半島の名舟地区(輪島市)に伝わる
伝統芸能である太鼓「御陣乗太鼓」についてでした。

 

地震の被害が大きく、毎年続けてきた伝統行事を、今年は中止にするの
か実行するのかを迷ったそうです。

 

そこで、この太鼓が生まれた「意気地」という言葉が持つ意味をもう一
度思い出し、諦めずにこの行事を行うことになったそうなのです。

 

この伝統行事が始まるきっかけをつくった出来事が、1577年に起き
たということですから、今から400年以上も前のことです。

 

当時勢いのあった上杉謙信の軍勢が名舟の里に攻め込んできた時、鬼や
亡霊の面を身に着け、海藻の髪を振り乱しながら太鼓を打ち鳴らす奇襲
を仕掛けて、上杉軍を追い払ったことから始まったのだそうです。

 

 

 

画像素材:いらすとや
弓矢や刀から鉄砲に移行する時代に人間心理を応用した戦いをする
暗闇で鬼や亡霊が出てきたら、人間怖気づくのでしょうか?
それも太鼓の音付き、でもこの戦法、知恵がないとできませんね

 

 

 

上杉軍といえば、当時天下統一を目指した織田 信長が最も恐れた軍団
でしたね。

 

その軍勢に攻め込まれた名舟の民には(戦う為の)武器といえる武器が
なかったそうです。

 

そこで、知恵を絞り、仮装して太鼓を打ち鳴らし、相手を驚かせた。

 

この行為が、まさに「意気地(いきじ)」だったのです。

 

上杉軍が攻め込んでくると知った時には、途方に暮れたであろう名舟の
民は、苦しい状況に負けずに知恵を絞り、できる限りのことをやったと
いえます。

 

「どんな苦しい状況にも負けない心」

 

のことを指す「意気地」を持っていたということでしょうか…

 

 

画像素材:いらすとや
パリ パラリンピックで車椅子テニスの上地選手と小田選手が金メダル
2人とも決勝では完全に追い込まれて後が無い状態からの大逆転劇
「最後まで諦めない」という「意気地」を感じました

 

 

 

サラリーマンにも意気地が必要…

 

 

 

厳しくて苦しい状況…

 

400年以上も前の時代も、現代もそういう意味ではあまりかわらない
のかもしれません。

 

現代のサラリーマンも、高齢になると厳しくて苦しい状況に追い込まれ
ます。

 

以前の記事でも度々ご紹介してきた「早期退職」や「(半強制的な)希望
退職」

 

圧力をかけて退職を強いるような転勤や追い出し部屋への左遷

 

定年まで我慢できても、雇用延長で様々な仕打ちを受けることも少なく
ありません。

 

60歳で雇用延長しても、65歳まで会社に残る人はとても少ないのが
実態です。

 

 

やる気を無くしてボンヤリと外を眺めているサラリーマンは多いのかも
会社にとっても社員にとっても良いことではありませんね…
写真は東京銀座の端にある浜離宮公園

 

 

そう考えると、

 

この「意気地」、

 

高齢期を迎えたサラリーマンの皆さんにはとても大事なモノかもしれま
せんね。

 

もしかすると、政府推奨のリスキリングより効果があるかも(笑)

 

精神的な支柱を持つことは悪いことではありません。

 

新しい目標を持って、何かをやり遂げようと頑張る気力は、高齢期には
必須なのかもしれないのです。

 

自分の置かれた境遇を冷静に判断して、知恵を振り絞る…

 

そして、その目標に向かって努力を続ける…

 

400年以上も前に名舟地区の民が、必死に太鼓を打ち続けたように…

 

長い間、毎年続けられてきた地域のこの伝統芸能、ただのイベントでは
なさそうです。

 

「意気地」の伝承

 

親から子への生きていく為の知恵の伝承なのかも…

 

そう、この伝統行事は「意気地」を持ち続け、それを引き継いでいく為
の行事なのかもしれませんね。

 

地震の影響で中止にもせず、行事を実施した地元の方々の想いが伝わっ
てきます。

 

 

綺麗で快適な環境のオフィースでも雰囲気最悪の職場は山のように存在
しています 写真は大阪中之島のビジネス街

 

 

 

見特という言葉

 

 

 

知恵を振り絞るということであれば、「見特」という言葉もあります。

 

仏教用語(仏語)のようなのですが、

 

「自らの知恵を働かせて、心理を悟ること」

 

と、あります。

 

人間には元々(その長い人生経験の中で培ってきた)生きていく為の知
恵が備わっています。

 

ただ、その知識に気づかないことも多いようです。

 

ようするに、知識を活かしていないということになりますね。

 

もう少し付け加えると、活かすターゲットがないと、宝の持ち腐れにな
ってしまいかねません。

 

知恵も、自分の身体に本来備わった力と認識すれば、もっと活かせる筈
です。

 

 

以前の記事でもご紹介した脳と体の関係(簡易図)です
5感から入力されたデータは全ての脳で処理され、行動に移されます

コントロールタワーである脳のどこに知恵は隠れているのでしょうか?
意気地は脳の何処にあって、どうすれば発動するのでしょうか?
知恵や意気地を発揮して高齢期を生き抜いていきたいものですね

 

 

 

高齢期に入ると、身体のそこら中が悪くなっていきますが、その際にも
この知恵はとても役に立ちます。

 

サプリメントのような薬に頼ることなく、自分の身体のケアは自分の知
恵である程度できるものです。

 

筆者もそのケアに結構長い時間を使っています。

 

出かける前の2時間前に起床して、

 

朝ごはんを済ませた後は、

 

目や耳のケアをして、

 

身体の血行をよくする運動をしています。

 

出かける時も、「貯筋」の為に、駅までは車を使いません。

 

これも小さなことですが、自分に備わった知恵を使っていることになり
ます。

 

なぜ「貯筋」が必要なのかは、知恵がないと理解できないからです。

 

高齢期を元気に生きていく為にも、知恵を最大限活かしていきたいもの
です。

 

今回の記事は、テレビで聞いた言葉にスポットを当ててみました。

 

人生を全うする前に「意気地なし」と呼ばれることのないようにしたい
ものですね。

 

 

今回の記事も最後までお付き合い頂き、感謝申し上げます。