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昭和100年

2025年01月11日
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もうすぐ、あの阪神淡路大震災から30年を迎えます。

 

神戸の街から六甲山を超えて、今の家に引っ越した翌年のことでした。

 

もう30年、早いものです…

 

(1.17のことは記事にもしています ご興味のある方はこちら

 

ある意味、節目の年になるのかもしれませんね。

 

今年、2025年は、ちょうど昭和100年にあたるそうです。

 

テレビで戦後80年と言っていたのを思い出しました。

 

終戦が昭和20年ですから、確かに100年ということになります。

 

終戦から15年後に生まれた筆者は、この「激動の昭和」と表現される
時代のほんの一部しか知りません。

 

帝国主義に突き進んだ戦前

 

日本中が焼け野原となった戦後

 

アジアの奇跡とまで言われた戦後復興と高度経済成長

 

そして、バブル崩壊の後、平成へと引き継がれた昭和…

 

このブログの記事でも度々昭和の時代について触れてきました。

 

戦争を知らない世代である筆者にとっては、昭和の暗黒部分は経験して
いませんが、貧しさから抜け出し豊かになっていくこの国の姿を見てき
たのかもしれません。

 

 

筆者の住む街にある蕎麦屋さんです
今でも昭和の佇まいを残してくれています 当然蕎麦も絶品です。

 

 

豊かさを実感できない国

 

 

「5年後、今より豊かになっていますか?」

 

日本経済新聞が、アジアを中心とした世界の読者約2600人にこのよ
うな質問を投げかけたそうです。(日本経済新聞電子版 2024.12.31)

 

「YES:豊かになる」

 

と回答した比率は、日本の読者だけが約44%と、とても低い数字だっ
たそうなのです。

 

調査を実施した13カ国・地域で唯一、半数割れとなったのは日本だけ
ということになります。

 

調査した(日本以外の)全ての国や地域に住む方々は、将来豊かになる
と予測しているのに、日本の読者だけがそうではないと答えているので
す。

 

回答した(日本経済新聞の)読者の年齢層まではわかりませんが、おそ
らくは多くが現役世代だと思います。

 

多くの現役世代が、(リタイヤした)親の世代のように豊かにはなれない
と感じているようです。

 

日本経済新聞の記事には、

 

「漠然とした将来不安はこれまで豊かさを享受してきた裏返しでもある」

 

と記されていました。

 

なぜ、激動の時代を乗り越えた昭和の時代には豊かになれて、

 

平成や令和の時代にはそうではなくなってしまったのか…

 

昭和100年と換算できる今年2025年に、その理由を考えてみたい
と思います。

 

 

昭和の時代の商店街はどこもこんな雰囲気でした…

 

 

新しいものを生み出してきた

 

 

昭和の時代に豊かさの象徴と呼ばれたものがあります。

 

それは3C

 

3種の神器とも呼ばれていました。

 

Color TV:カラーテレビ

 

Car:車(自家用自動車)

 

Cooler:クーラー(エアコン 当時は冷房のみ)

 

この3つの頭文字をとって3Cと呼ばれていました。

 

どれも庶民にとっては高嶺の花で、なかなか手が届かないものばかりで
した。

 

そこに訪れた高度経済成長によって、

 

収入が増えたことが後押しにもなって普及が始まり、

 

普及が進むことにより大量生産が可能となった3Cは、価格を落として
いきました。

 

価格が落ちていくことにより、手が届く(購入できる)人が増えていく…

 

まさに経済の好循環が起きていたのです。

 

経済(お金)が回っていたといえます。

 

 

 

蕎麦屋さんの中です 
昭和の家の中には今のようにたくさんの電化製品はありませんでした

 

 

昭和の時代は、このように生活を豊かにする新しい商品が次々に生まれ
ては消費されていきました。

 

その後も、ウオークマンや携帯電話、パソコン(タブレット含む)等が
庶民へと普及していったのです。

 

昭和の時代、この国の中には新しいものを生み出すパッション(熱意)
のようなもので溢れていました。

 

しかし、バブル崩壊後、モノづくりは安い人件費を求めて海外へと移っ
てしまいました。

 

モノづくりだけでなく、新しいものを生み出す熱意もどこかに行ってし
まったかのようです。

 

今、かつての3Cの殆どが競争力を失いかけています。

 

カラーテレビは、海外勢に追い抜かれ、挙句の果てにブランド売却…

 

自動車も電動化に乗り遅れて大苦戦…

 

先日の記事でもご紹介した自動車メーカは、経営不振で同業他社と生き
残りをかけて合併するらしいのです。

 

この会社のショールームに行くと驚かされます。

 

小さな軽自動車が300万円を軽く超える価格で販売されていました。

 

高過ぎるよな…

 

庶民の手に届くものではないと感じてしまいました。

 

価格からは、企業の努力は感じませんでした。
(あくまでも本人の感想です)

 

都会に住めば、車がなくても生活は十分可能です。

 

何か勘違いをしているのではないかと…

 

日本メーカは、品質の良いものを安価で販売することで世界と戦ってき
ました。

 

もはや顧客のことを忘れているのではないかと心配になります。

 

かつて、昭和の時代に3種の神器(3C)が爆発的に普及した時の好循
環を思い出してほしいものです。

 

よくよく考えると、不思議な感じがします。

 

安い人件費を求めて海外移転したモノづくり、海外の人件費も高騰して
います。

 

反面、国内では非正規の比率が異常に上がり、最低賃金で働く人たちが
増えてしまいました。

 

海外生産のメリットはあったのでしょうか?

 

国内では最低賃金は上がっているとはいえ、安い労働者の確保は可能で
す。

 

「人手不足なんだよ…」

 

そんな声も聞こえてきそうですが、生産年齢の上限を上げさえすれば、
良質な労働力はまだまだ確保が可能だと思うのですが…

 

 

以前の記事でも度々ご紹介してきた高齢化についてのグラフです
棒グラフの青色部分が生産年齢人口(14~64歳)です
人口減少と共に減少するのですが、ピンクの高齢者がそこに入れば…

 

 

高齢化はまだまだ進む

 

 

昨年(2024年)の敬老の日に発表されたこの国の高齢化率はとうと
う30%に届いてしまうのではないかという勢いでした(29.3%)

 

もうすぐに国民の3人に1人は高齢者という時代がきます。

 

人手不足になるのは当たり前のような気もするのです。

 

高齢者にもっと働く機会を与えるべきだと筆者は考えています。

 

少ない年金だけで生きていくのは、難しいことは誰もが知っています。

 

ただ、この国に蔓延る年齢差別だけは何とかしなければなりません。

 

(自由)市場経済に任せているだけでは高齢者雇用は進みません。

 

劣悪な条件ではない雇用条件を高齢者にも保障する国の制度が必要です。

 

年齢差別なく、モノづくりを含めた幅広い分野で働く場所ができれば、
高齢者の収入は増えていきます。

 

高齢者の皆さんが生活に少しでも余裕ができればどうなるでしょうか?

 

そう、消費に回る可能性が高いのです。

 

少子化でモノが売れないと嘆く前に、高齢者の皆さんにも消費して頂く
ことを考えていくべきなのです。

 

 

募集・採用における年齢制限禁止が義務化されて10年以上が過ぎまし
たが、今でも
現実として60歳以上の採用は厳しいというのが実態です

 

 

高齢者の免許返納が進んでいますが、公共交通の利便性が低い地方では
生活に支障が出ます。

 

高齢者でも安全に乗れる車はできないのでしょうか?

 

せっかく自動運転搭載車が増えているのに、とても残念です。

 

高齢者の皆さんにも、現役世代と同じように消費者として社会や経済に
貢献してもらえる方法はいくらでもある筈です。

 

弱い立場ばかりがクローズアップされがちですが、山のような巨大な消
費者群がこの国には存在していることを忘れてはいけないのです。

 

そして、高齢者の皆さんはとても大きなインパクトを持っています。

 

高齢者の皆さんが、労働を通して将来の不安を払しょくできた時、動き
出すであろう大きなお金があるのです。

 

それは、高齢者の皆さんが持っている「内部留保」です。

 

 

画像素材:いらすとや
高齢者の皆さんが持っている山のような資産が動き出せばどうなるのか
動き出す為の起爆セットにスイッチを入れる施策が必要なのです

 

 

この「内部留保」過去の豊かさの遺産ともいえる存在です。

 

将来の不安に対応する為に、今までは使われてはきませんでした。

 

その将来の不安が軽減されればどうなるでしょうか…

 

大手企業もたくさんの「内部留保」を隠していますが、おそらくその額
を遥かに上回るお金が動き出すかもしれないのです。

 

このお金が動き出せば、確実に経済は回ります。

 

令和の時代、

 

昭和の時代のように将来の豊かさを望むのであれば、

 

高齢者の持っている隠れた資産と能力を国や地域は活かすべきなのです。

 

筆者は、政府の経済対策より遥かに効果があると思っています。

 

高齢者の皆さんの中には、まだ現役世代と遜色のない働き方ができる人
も少なくありません。

 

人手不足の中、そんな貴重な戦力を確保しながら、経済の活性化もでき
る。

 

そんな国の施策があれば、この国は豊かさを取り戻せるはずなのです。

 

昭和100年の今年、

 

昭和の時代の良き遺産を活用して、

 

この国に再び豊かさへの期待を蘇らせることができればいいのですが…

 

今回の記事は、将来の希望(豊かさや幸せ)が消えかかっているこの国
の現状を憂い、筆者の考えをまとめてみました。

 

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。