通院大国日本
書斎から庭の花壇で綺麗に咲いている赤い小菊が見えます。
もう10月も中旬…
早いですね。
今年も残り僅かとなりました。
朝早く書斎に入った筆者は少し寒いと感じて、2階の自室まで長袖のシャツを取りに戻ることになってしまいました。
急速に秋が深まっていきそうです…
朝晩はメッキリ冷え込むようになりましたね。
寒暖差による体調不良には気を付けたいものです。
医者の世話になるのは少しでも避けたいですから…
この10月から後期高齢者の医療費自己負担の割合がまた変更になりました。
75歳以上で、医療費の自己負担が2割の人に対してとられていた外来受診時の負担を軽くする救済措置が、この9月末で終わったのです。
10月から窓口負担が増える人が、(厚労省統計によると)310万人ほどにのぼるそうです。
急騰する医療費のことを考えると仕方のないことなのですが…
昨年(2024)度の医療費の総額は、過去最高の48兆円。
3年前(2022年)に投稿した記事で、2021年度の医療費が44兆円となったことをご紹介したことがありました。
3年でプラス4兆円…
単位(兆円)を考えると、凄い勢いで増え続けていることがわかります。
その内訳を見ると、75歳以上の医療費の割合が初めて4割超になったそうです。
以前の記事でも度々ご紹介してきたように、後期高齢期から医療費が一気に上がります。
高齢期の医療費負担増は、あらゆる世代にとって大きな問題です
加えて高齢化率は、もう30%を超えようとしています。
何とかしないといけないのは、誰もがわかってはいるのですが…
この国の財政は、とても困難な状況に陥っているようです。
通院回数
一人当たりの年間外来診察回数というのが国別に国際統計数値として発表されているそうです。
一人が年間で何回医療機関を訪問しているのかという数値なのですが、国民性や健康保険制度等の影響もあり、国によって大きな違いがあるようです。
少ない国として以前の記事でも度々紹介してきた北欧スウェーデンが上げられます。
幸福度で、他の北欧の国々と共に常に世界ベスト10に入る国です。
度々記事でもご紹介したように、北欧の国々の人々は健康意識も日本とは全く違います。
福祉国家故に医療費負担が殆どないにも拘わらず、
国民は風邪くらいでは医者には行かないそうです。
逆に医者の方も、医療が必要な人に生き届くように、風邪の患者はなんと門前払いなのだとか…
(信じられませんが…)
福祉国家が居並ぶ北欧の国々では、建物の造りも日本とは違うように医療に対する考え方も根本的に違います。
日本と比較すると、違うどころではありませんね。
そのスウェーデンの外来診察回数は、驚きの2.3回。
国民一人あたり、年間2回しか医者に行かないということになります。
英国4回、米国5回等少ない国が多く、OECD加盟国平均でも6回程度だそうです。
日本はどうかというと、12.1回とOECD加盟国平均の倍の数値です。
要するに日本人は、月に1回医者に行っているという計算になります。
なんと、スウェーデンの5倍以上…
これでは医療費が嵩んでも不思議ではなさそうです。
確かに国民性もあるようで、お隣の韓国のように15回近い数値が発表されている国もあることはあるようです。
でも、年間国家予算の半分近くもある医療費、何とかしなければならないことは確かですね。
画像素材:Jim Mayes 天高く馬肥ゆる秋
でも高いのは空くらいにして医療費は低い(少ない)方がいいですね…
どうすれば…
それでは、どんな理由で通院しているのでしょうか?
筆者の場合ですが、心臓疾患の定期健診が3カ月に1回、
そして、眼科の定期健診も同じ3カ月に1回です。
もう一つ、歯科の定期健診も3カ月に1回です。
筆者の場合も、年間12回も通院しているということになります。
この3カ月という単位は、薬に関係していることが大きいと感じています。
薬の必要性が無い歯科の定期健診は、歯垢の除去の関係等で3カ月に1回はある程度納得できるような気がします。
薬が必要な場合はもう少し検診期間が延びればいいのではないかと感じてしまいます。
でも、(医療制度には)いろいろな制度や決まりごとがあるようです。
筆者の通院する大きな病院にも、壁に大きく告知文が貼り出されていました。
「90日を超える(薬の)処方はできません」
90日を超えて薬が処方できれば、検診期間を長くすることができるのですが…
明らかに異常があったり、短い期間の経過確認が必要な場合以外は、検診期間がもう少し長くてもいいような気もします。
薬をジェネリックにして医療費を抑えましょう!
こんな努力はとても理解できるのですが、医療制度そのものをもう少し変えていく必要があると感じてしまいますね。
また、検査もわざわざ病院に行かなくてもできるものもあります。
筆者は毎日、血圧と体温を計測して記録しています。
病院に行く時には、その記録を印刷して主治医に見せています。
ようするに、病院に行かなくても検診できるものもあるのです。
例えば、以前の記事でご紹介したようなサードプレイス(地域の居場所)に簡単な検診機能を持たすことができれば、医療費を落とすことができるような気もするのです。
3か月に1回の定期健診 電車を乗り継ぎ1時間以上かけて病院へ…
唯一の楽しみは、早朝からの神戸の街の散策です
神戸の街は、六甲山系から流れ落ちる川沿いに公園が整備されています
わざわざ(公共交通機関を使って)病院に行って…
長い時間待たされて…
個人的にもお金と時間を節約できます。
その簡単な検診、医療従事者や過去経験者(例えば元看護師等)によってできれば安心感が増すような気もします。
筆者の住む街では、財政悪化の為に市民病院を無くして、隣の自治体と共同で病院を新設する動きが進んでいます。
新しく新設される病院の場所は市外となり、電車で行くことができなくなります。
こんな状況を考えれば、地域で(病院ではないのだけれど)簡単な検診や健康管理ができる場所があれば、高齢者の皆さんに安心を与えることができそうです。
その結果で、医療費が抑制される…
こんな素晴らしいことはないと思いませんか?
医療費の高騰が国や自治体の財政を圧迫しているというのであれば、もっと(医療の)仕組みや制度を変えていく必要があると感じています。
それも抜本的に…
解党的出直しと銘打って始めた改革も、気付けば元のように数字合わせをするような政治にはそんな改革は無理かもしれませんが…(あくまでも筆者の感想です)
病院は本当に必要か?
このように家の近くで健康管理ができるところがあれば、この国の医療の形は大きくかわるかもしれませんね。
ただ、病院が近くに無いと困るという人は少なくありません。
高齢になると、(身体の)心配事も増えてしまいます。
でも、少し落ち着いて考えると、他の方法もあるかもしれないと感じるかもしれません。
なぜかというと、こんな事例もあるからなのです。
2020年から新型コロナウイルスの感染拡大で、みんな酷い目に遭いましたね。
コロナウイルスで多くの犠牲者が出ました。
でも、コロナウイルス以外の要因で亡くなった方の数は減ったのです。
そこには、病院に行かなくなったら死者数が減ったという事実だけが残ります。(決して医療機関が悪いと言っているのではありません)
原因は、病院に行かなくなったからなのかもしれないのです。
もう一つ、こんな事例もあります。
メロンで有名な北海道夕張市は、2007年に財政破綻しました。
その影響で約200床あった市民病院は閉鎖されたのです。
雄大な大自然が広がる北海道の地域では確かに病院の数は都会と比較にはなりません…
大きな市民病院から僅か20床の診療所へと変わり、医師数も激減しました。
当時、市民から大きな非難の声が上がったようですが、結果は意外なモノでした。
3大疾病による死者数減、
医療費激減、
自宅で、老衰によって亡くなる方が激増したそうです。
この事実をどう考えればいいのでしょうか…
世界一と言ってよいほど、この国の医療制度は優れています。
でも、今のままで本当にいいのか…
少子高齢化という国難に悩むこの国で、医療制度も大きく変えていく必要があるのではないでしょうか。
(財政的にも)疲弊して、人口が減少していく地方を救うためにも、大病院に頼らない新しい地域医療を考えていく…
(決して大病院が要らないと言っているわけではなく、中核病院は必要だと思います)
その舞台が、病気を治す目的だけではない、サードプレイスのような健康寿命を延ばすことができる場所であれば、素晴らしいことだと筆者は思うのです。
今までの病院のイメージを抜本的に変えていく改革が必要なのかもしれませんね。
今回の記事は、医療費の高騰に悩む今の状況について打開策を考えてみました。
医療制度そのものは難しいということはわかってはいるのですが、違う視点で見ればハッと驚く打開策が目の前に広がるかもしれません。
超高齢化にバッチリの打開策が…
今回の記事も最期までお付き合い頂き、感謝申し上げます。







